2022/06/01
以前アップしたYAMAHA FG-152リペア日記が結構アクセスがあったので今度はもう少し詳しくFG-200のリペアの様子です。
ロクさんのYAMAHA FG-200グリーンラベル後期です。ロクさんからLexicon MX300(エフェクター)やネックリセット時に使う圧力鍋、専用治具(Stewart-MacDonaldのネックリムーバルジグ)など無料で頂いたのでネックのリセットを引き受けました。
他人のギターはリペアしないのですが、壊れてもいい条件で無料で引き受けました。
現状はネックはストレートですが、元起で弦高が4mmぐらいで弾きにくい状態です。指板の延長がブリッジにあたっています。
指板とボディートップを剥がして、15フレットを外し高温スチーム用の3mmの穴をあけます(高温スチームのノズルが2mmです)。エスプレッソマシンのスチームを使う人もいます。
カセットコンロで沸かします。
蓋の裏側です。
高温スチームをネックポストに送り込みボンドが緩んだところで専用治具(Stewart-MacDonald Neck Removal Jig)で写真の矢印の方向にネックを外します。
外す時に写真撮っていなかったので後で装着しているので養生していません。
以前に専用治具を手作りしたのですが、使い勝手が悪く無くても外れたのですが、やはり専用治具は使い勝手が良かったです。
ネックのダブテイルジョイントのヒールを削ってネックのセット角度を修正しますが写真の赤い線の部分の面がデコボコで斜めになっていて平面にしてからヒール部分を斜めに削りフィットさせるのに二日かかりました。
ボディとネックを接着します。
ネック接着は1週間ぐらい乾かしたほうがいいです。
指板の穴を埋めて接続部分をウレタン塗装でタッチアップします。
15フレットの穴は木で埋めて黒のステインで着色します。3mmなのでフレットを打つと目立ちません。
15フレット打ちとサドル作成はロクさんにお任せです。
ネックは安定するまで多少起きてくるのでサドルは高めに調整しました。サドルは手持ちの高さが合いそうなものを流用です。
仮のサドルで6弦12フレットで2mmぐらい。
1弦12フレットで1mmぐらいで少し低い状態です。
セット角度もまずまずかな。
この傷は塗装の下なんですが以前から付いていました。
ネックリセットが終わり、弦を張り音を出して状態をチェックしたのですが、高音弦側の音にビビりが出ています。ボディをタッピングするとトップブレーシングが浮いている様子。テープを張ったところが怪しいです。
各ブレーシングをチェックすると高音弦側Xブレーシングの先端、ボディの奥のほうが浮いています。
念入りにチェックしましたがこの1ヵ所だけでした。でもトップの奥のほうは手が届かないし苦労します。
ボディ内部の補修には小さなパレットでも使いにくいのでポイントカードが重宝します。
ポイントカードにタイトボンドを載せて少しずつ隙間に入れていきはみ出たボンドは濡れたウエスでふき取り割りばしで押さえます。
ブレーシングの接着には強い力は必要ないし狭い内部ではこれが一番です。
リペアが終わりチューニングして音出し、弾きやすく良く鳴っています。全体の音量もあり高音の倍音もよく出てヤマハのFGの音ですね。
ロクさんのFG-180赤ラベルと弾き比べてもFG-200の方が良く鳴っています。
お礼にフレットカッターを頂きました。今使っているフレットカッターの刃がだいぶくたびれてきたので助かります。